日常において、目に見えない細菌やウイルスが広める感染症はまさに隠れた恐怖No.1と言っても過言ではないでしょう。
そんな怖ろしい感染症も、正しい知識をもって対策を講じることで危険度は下がります。
今回は、「腸チフス」について取り上げます。
腸チフス感染の最近の動向
腸チフスに関する最近の動向は以下の通りです:
- 2023年の日本国内での腸チフスの届出数は、4月6日時点で13件でした。これは2022年の全国の届出数17件から見ると、年間を通じての届出数が増加している可能性があります。
- 腸チフスは世界中で見られる感染症ですが、特に南アジア、東南アジア、アフリカ、カリブ海、中央および南アメリカが危険のある地域とされています。
腸チフスはこんな病気
腸チフスは、感染すると7〜14日後に発熱を伴って発症し、比較的徐脈、バラ疹、脾腫、下痢などの症状を呈し、腸出血や腸穿孔を起こすこともあります。
腸チフスは、特に温暖で湿度の高い環境で流行しやすいとされています。このような条件は、チフス菌の生存と増殖に適しており、特に衛生状態が不十分な地域では感染リスクが高まります。東南アジア、中南米、アフリカなどの地域では、これらの気候条件が一年中見られるため、腸チフスが繰り返し流行することがあります。
腸チフスの消毒に有効な方法
腸チフスの消毒には、以下の方法が有効です:
- 消毒薬:
- 消毒用エタノールや第四級アンモニウム塩(商品名: オスバン、逆性せっけん液、ハイアミンなど)
- 次亜塩素酸ナトリウム(商品名: ミルトン、ピューラックス、ハイターなど)
- 両性界面活性剤(商品名: テゴー、ハイパールなど)
- 消毒方法:
- トイレや水洗レバー、ドアノブ、便器、蛇口、床など、手が触れる箇所は規定の濃度に薄めた消毒薬で拭きます。
- 患者の便に汚染された衣類は、消毒薬に浸してから洗濯します。
- おむつ交換時や患者の便を処理する際は、ゴム手袋や使い捨ての手袋を使用し、使用後は消毒します。
- 熱水消毒:
- 80°Cで10分間の煮沸消毒も有効です。
また、感染症対策としては、手洗いや手指消毒の徹底も非常に重要です。特に食事前やトイレ後には、石けんと流水で手をよく洗うことが推奨されています。さらに詳しい情報や、ご自身の状況に合わせた消毒方法については、医療専門家に相談することをお勧めします。安全な環境を維持するために、適切な消毒方法を実施することが大切です。