日常に隠れた恐怖No.1と言っても過言ではない、目に見えない細菌やウイルスが媒介する感染症。
正しい知識と対策を知り、危険に備えていきたいものですね。
今回は「マラリア」について取り上げます。
マラリアの最近の動向
最近のマラリア感染の動向については、以下の情報があります:
- 世界保健機関(WHO)の報告によると、2020年のマラリア感染者数は2億4,100万人、死亡者数は62万人以上と推定されています。
- マラリアは世界3大感染症の一つで、特にサハラ以南のアフリカで多くの感染者と死亡者が報告されています。
- マラリアの主な症状には、発熱や頭痛、震えや悪寒などがあり、治療が遅れると脳症や意識障害、多臓器不全などの合併症を引き起こす可能性があります。
- 2022年の世界のマラリア患者数は2億4,900万人と推定され、薬剤耐性や殺虫剤耐性、人道的危機、資源の制約、気候変動の影響など、増大する脅威に直面しています。
マラリアとはこんな病気!
マラリアは、プラスモジウムという寄生虫によって引き起こされる感染症です。この病気は、アノフェレス属のメス蚊に刺されることで人から人へと伝播します。マラリアに感染すると、以下のような症状が現れることがあります:
- 発熱
- 悪寒
- 頭痛
- 吐き気や嘔吐
- 筋肉痛
- 貧血
- 黄疸
重症化すると、脳症、多臓器不全、意識障害などを引き起こし、治療を受けない場合は死に至ることもあります。特に、妊婦や幼児、免疫力が低下している人は重症化しやすいとされています。
予防策としては、蚊に刺されないようにすることが重要で、蚊帳の使用や虫除けスプレーの利用、長袖や長ズボンを着用するなどが挙げられます。また、マラリア流行地域への旅行前には、予防薬の服用を医師と相談することも推奨されています。
蚊に刺されるとマラリアに感染する理由は、アノフェレス属のメス蚊がプラスモジウムという寄生虫を保有しているためです。この寄生虫は、蚊の唾液腺に存在し、蚊が人を刺す際に唾液と共に人の血流に入り込みます。以下のステップで感染が進行します:
- 感染した蚊に刺される:プラスモジウムを保有するメス蚊が人を刺すと、寄生虫が蚊の唾液と共に人の血液に侵入します。
- 肝臓での増殖:プラスモジウムは肝臓に移動し、細胞内で無性的に増殖します。この段階は無症候性であり、数日から数週間続くことがあります。
- 赤血球への侵入:増殖した寄生虫は肝臓の細胞を破壊し、血流に戻って赤血球に侵入します。
- 赤血球内での増殖と破壊:寄生虫は赤血球内でさらに増殖し、最終的に赤血球を破壊します。これにより、寄生虫が新たな赤血球に侵入するサイクルが繰り返されます。
- 症状の発現:赤血球の破壊により、発熱や悪寒、貧血などの症状が現れます。
この感染サイクルは、他の人が同じ蚊に刺されることでさらに広がります。蚊が感染した人の血を吸うと、プラスモジウムが蚊の体内で成熟し、再び別の人を刺すことで新たな感染者を生み出すことになります。
マラリアは、適切な治療を受ければ治癒可能な病気ですが、世界的には依然として多くの感染者と死亡者を出しており、特に発展途上国での対策強化が求められています。医療技術の進歩や国際的な支援により、感染者数の減少や根絶に向けた取り組みが進められています。
マラリア感染拡大を予防するには?!
マラリアの予防には、蚊に刺されないようにすることが非常に重要です。これには、蚊帳の使用、虫除け剤の塗布、長袖や長ズボンの着用などが含まれます。また、マラリア流行地域への旅行前には、予防薬の服用を医師と相談することが推奨されています。マラリアは適切な治療を受ければ治癒可能ですが、感染を未然に防ぐことが最も効果的な対策となります。
蚊の生息に適さない環境を作ることは、マラリア予防に非常に重要です。蚊が繁殖するのを防ぐためには、以下のような対策が効果的です:
- 水たまりを作らない:蚊の幼虫は水中で生活するため、水が溜まりやすい場所は避け、水が溜まった場合は速やかに排水する。
- 草むらや藪を定期的に刈り取る:風通しや日当たりを良くし、蚊が隠れる場所を減らす。
- ハーブや風を利用する:蚊はハーブの香りや風を苦手とするため、レモングラスなどのハーブを植えたり、扇風機を使用したりする。
- 防虫網・網戸を設置する:家の中に蚊が侵入するのを防ぐために、窓やドアに網戸を取り付ける。
これらの対策を行うことで、蚊の生息環境を減らし、マラリアを含む蚊媒介感染症のリスクを低減することができます。また、これらの対策は、個人の生活空間だけでなく、地域全体で行うことが重要です。地域コミュニティが協力して環境整備を行うことで、より効果的に蚊の繁殖を抑制することが可能になります。蚊による感染症の予防には、こうした環境対策が非常に有効です。